電子記録債権活用セミナー

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でんさいネット開業1周年記念「電子記録債権活用セミナー」

2014年2月12日、経団連会館国際会議場において、一般社団法人日本経済団体連合会の会員企業を対象に、でんさいネット開業1周年記念「電子記録債権活用セミナー」を開催しました。
講演要旨や資料を掲載していますので、ぜひご覧ください。

開会挨拶
株式会社全銀電子債権ネットワーク 岩本 秀治


株式会社全銀電子債権ネットワーク

取締役会長
岩本 秀治




でんさいネットは、今月開業1周年を迎えることとなった。
この1年間で、30万社を超えるお客様に利用申込みをいただいた。また、利用状況については、直近の1月では月間34,404件のでんさいが発生しており、債権残高はまもなく1兆円を超えそうな勢いである。
電子記録債権は、手形や振込が抱える課題を克服した新たな決済手段として大変期待されている。あらゆる場面で電子化が進んでいる昨今、決済の場面においても、近い将来、この電子記録債権が決済手段の主流となる時代が必ずくると考えている。
このセミナーを通じて、あらためて電子記録債権の魅力を理解いただき、電子記録債権を活用いただくきっかけになれば幸いである。

「電子記録債権制度への期待について」
経済産業省 佐々木 啓介氏


経済産業省 経済産業政策局

産業資金課長
佐々木 啓介氏



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【講演要旨】

電子記録債権制度は、全銀行参加型の電子債権記録機関である「でんさいネット」が開業し、発生記録の累計金額が1兆円に到達するなど、現在、普及期の段階にある。電子記録債権の普及に向けて、金融庁では金融検査マニュアルを改訂し、電子記録債権の取扱いを明確化するとともに、経済産業省でも中小企業信用保険法の改正により、信用保証の対象に電子記録債権を活用した資金調達を追加しており、今後、ますます事務コスト削減効果のある「手形から電子記録債権へのシフト」が進むことが予想される。なお、経済産業省自身も、補助金等の公的資金の支払いに電子記録債権を導入することについて検討を進めている。
一方、「売掛金から電子記録債権へのシフト」が進むには、一定の時間を要することが予想されるため、今後も官民一体での一層の普及促進活動が必要だと考えている。
今後も引き続き、電子記録債権の普及に向けて、全力で取り組んで参りたい。

「電子記録債権取引における法律上の留意点」(下請法上の取扱い等)
TMI総合法律事務所 葉玉 匡美弁護士


TMI総合法律事務所

葉玉 匡美弁護士



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【講演要旨】

電子記録債権法は、いかに安く安全に債権を発生、譲渡、決済をすることができるかという観点から立法されており、非常に便利な制度である。
売掛債権と電子記録債権の二重払いを危惧する声もあるが、電子記録債権が発生した後に売掛債権が譲渡されても、電子記録債権の支払が優先するため、二重払いのリスクはない。
本日は、電子記録債権取引における法律上の留意点として、次の5つの観点から解説する。(詳細は添付資料ご参照)

 ①電子記録債権取引全般
  ファクタリングや期日振込との違い、領収書の取扱い等
 ②下請法上の取扱い
  支払サイトの日数制限、手数料の考え方等
 ③税法上の取扱い
  貸倒引当金繰入事由
 ④法的手続き等
  債務者の破産・民事再生手続きの開始、割引後に債務者が倒産した場合の取扱い等
 ⑤記録請求等
  発生日の考え方、遅延損害金の取扱い等

「でんさい利用企業からの事例紹介(1)」
株式会社熊谷組 新井 誠氏


株式会社熊谷組

管理本部 財務部長
新井 誠氏



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【講演要旨】

当社の現状の取引先への支払いは、現金払いと手形払いが55対45の割合であるが、手形払いの部分をでんさいに移行中である。
でんさいネットの導入理由は、全銀行参加型ゆえに高い流通性が確保されており、全国的に裾野が広い取引先を持つ建設業にマッチしたことである。
でんさい導入のメリットは、印紙代手形発行費用等のコスト削減、取引先での紛失、取立忘れ等への対応が不要となること、手形の分割依頼(月間20件程度)が不要となることである。また、取引先にとっても、領収書が不要となることや期日当日に資金化できる等のメリットがある。
一方、でんさいの導入で苦労した点は、システム開発(取引先番号と決済口座との紐づけおよび銀行システムとの連携)および取引先からの問い合わせ対応であった。なお、取引先向け説明会を全国8支店で11回開催し、でんさいへの移行をお願いした。
今後は、でんさい未登録取引先への案内を継続的に行うとともに個社ごとに登録促進を進めていき、平成26年11月(導入後1年)を目途に支払手形を廃止したい。また、グループ会社にもでんさいの利用を拡充する予定である。

「でんさい利用企業からの事例紹介(2)」
橋本総業株式会社 阪田 貞一氏


橋本総業株式会社

代表取締役専務取締役 管理本部長
阪田 貞一氏



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【講演要旨】

橋本総業では、売上の60%を手形で受け取るとともに仕入れの20%を手形で支払っていたが、常時5,000枚の手形を抱え、手形受渡しに問題を抱えていたため、改善策としてでんさいを導入した。
当社経理部が熱意をもって、一丸となってでんさいへの切替を推進した結果、支払手形の93.4%をでんさいに移行することができた。
でんさい導入のメリットは、支払側では手形発行事務手続き(手形の押印手続き等)の削減、手形発行コストの削減等である。また、受取側では、現物管理が不要であること、受取手続き(手形の不備点検事務)およびコストの削減(領収書の郵送料・印紙代等)等である。
今後は、受取手形をでんさいに切り替えていくため、得意先に対して得意先との会合等を通じて、でんさい導入のメリットをアピールしていきたい。

「システムの観点から見たでんさい導入について」
株式会社NTTデータ 田野 周氏


株式会社NTTデータ

法人C&M本部 部長
田野 周氏



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【講演要旨】

電子記録債権の発生記録請求は、金融機関の提供するサービス画面から登録する必要がある。利用企業は登録データを、会計システムにある債権債務データから自動的に作成するために会計システムに機能を追加する等の対応をする必要がある。
このようなIT導入にあたって、でんさいに早期対応している企業の対応は様々である。経営者がトップダウンで導入を決定する企業もあるが、方針検討(業務・システムの影響範囲、検討対象の洗出し)について主管部門から、システムベンダに検討を依頼し、プロジェクトを推し進める企業が多いのが実感である。
今後のでんさい対応については、電子記録債権の利用活性化に伴い、会計システムの対応や、周辺支援ソフトの充実、金融機関サービス「電子記録債権取引システム」のバージョンアップ等が予定されているため、これらの仕組みを活用しながら、最適な規模で利用を開始される利用企業が多くなると考えられる。

閉会挨拶
株式会社全銀電子債権ネットワーク 諸江 博明


株式会社全銀電子債権ネットワーク

代表執行役社長
諸江 博明




電子記録債権には多くのメリットがある。また、災害対策の観点からも、先般の東日本大震災では、インターネットバンキング等の電子的な決済手段をメインに利用している企業ほど復旧が早かったという話を伺ったことがある。
新たなサービスであるため、当面は普及状況を見極めようというお客様も多いと思われるが、当会社のホームページ等を通じて、積極的に普及状況やお客様の声をお伝えし、電子記録債権の早期普及につなげていきたい。
新たな社会インフラとして、全国の参加金融機関と一体となってサービスの向上に努めて参る所存であるので、今後ともよろしくお願い申しあげる。