でんさい活用セミナー【東京】

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でんさい活用セミナー

2014年10月24日、東京の経団連会館国際会議場において、「でんさい」の利用を検討されているお客様を対象に、「でんさい活用セミナー」を開催しました。
当日の講演要旨や資料を掲載していますので、ぜひご覧ください。

「電子記録債権制度への期待について」
経済産業省 岩佐 圭祐氏


経済産業省 経済産業政策局

産業資金課 課長補佐
岩佐 圭祐氏


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【講演要旨】

電子記録債権は、全銀行参加型の電子債権記録機関である「でんさいネット」が開業し、制度が大きく普及するためのターニングポイントを迎えた。経済産業省をはじめ政府においても、電子記録債権の普及に向けた取り組みを進めていきたい。
経済産業省が電子記録債権に期待している点は、2点ある。
1点目は、手形から電子記録債権へのシフトが進むことである。
2点目は、企業間信用が合理的に拡大していくことである。具体的には、売掛金(買掛金)を電子記録債権(電子記録債務)化し、受取企業および支払企業の双方にインセンティブのある取引条件を提示し合って活用することで、企業間信用が合理的に拡大していくということである。
受取企業(販売企業)側は、売掛金よりも安全かつ低コストの債権を取得でき、支払企業側は、電子記録債権の導入を機に支払サイト延長の合意がとれれば、キャッシュフローの改善を図ることができるというインセンティブがある。電子記録債権は、企業間で工夫することで、様々な活用方法があることが大きな魅力である。
本日のセミナーのような場において、実際の取組事例の紹介を通じて、電子記録債権がさらに普及することを期待している。

「電子記録債権取引における法律上の留意点」(下請法上の取扱い等)
TMI総合法律事務所 葉玉 匡美弁護士


TMI総合法律事務所

葉玉 匡美弁護士


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【講演要旨】

電子記録債権法は、いかに安く安全に債権を発生、譲渡、決済をすることができるかという観点から立法されており、非常に便利な制度である。
売掛債権と電子記録債権の二重払いを危惧する声もあるが、電子記録債権が発生した後に売掛債権が譲渡されても、電子記録債権の支払が優先するため、二重払いのリスクはない。
本日は、電子記録債権取引における法律上の留意点として、次の5つの観点から解説する。(詳細は添付資料ご参照)

 ①電子記録債権取引全般
  ファクタリングや期日振込との違い、領収書の取扱い等
 ②下請法上の取扱い
  支払サイトの日数制限、手数料の考え方等
 ③税法上の取扱い
  貸倒引当金繰入事由
 ④法的手続き等
  債務者の破産・民事再生手続きの開始、割引後に債務者が倒産した場合の取扱い等
 ⑤記録請求等
  発生日の考え方、遅延損害金の取扱い等

「でんさい利用企業からの事例紹介①」
内外テック株式会社 米澤 秀記氏


内外テック株式会社

常務取締役 管理本部長
米澤 秀記氏


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【講演要旨】

当社の仕入企業(支払先)は約500社あり、従来の支払方法の内訳は、手形が66%、振込が34%であった。このうち、主に手形部分をでんさいへの移行対象とした。
当社は、以前より支払に係るコストの削減を目指しており、電子記録債権には関心があったが、従来からあった電子記録債権は特定金融機関との取引が必要であり導入しづらい面があったが、全銀行参加型のでんさいネットが開業したため、導入がしやすい環境が整った。なお、導入を検討するにあたり、社内では「もう少し様子を見てからでもよいのでは」という声もあったが、株券も電子化されており、今後は電子的な取引が主流となることも見込まれることから、早期の導入を目指すこととした。
でんさいの導入に際しては、仕入企業に対し支払方法の変更についてアンケート調査を実施し、丁寧に説明するとともに、当社の支払システムや内部統制システムの見直しも実施した。
でんさい導入時に苦労した点としては、社内の関係部署(仕入部門、会計部門、システム部門)との調整や支払システムの再開発(システムは内部開発しており、特に銀行システムとの接続に苦慮)等が挙げられるが、導入半年前から毎月1回関係部署との勉強会を開催することで理解を得ることができ、また、導入予定の金融機関とは綿密に連携することにより課題等の解決にあたった。
でんさいを導入したことで、手形の現物管理リスクから解放され、印紙税の削減、支払手続きに係る事務の効率化を図ることが出来た。
でんさい導入後、現在の支払方法は、でんさいが52%、手形が15%、振込が33%であるが、今後は、すべての支払をでんさいに一本化できるよう、でんさい取引の比率をさらに上げていきたい。

「でんさい利用企業からの事例紹介②」
日本紙パルプ商事株式会社 飯塚 聡氏


日本紙パルプ商事株式会社

管理・企画本部 経理部 部長
飯塚 聡氏


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【講演要旨】

当社の会社の性質上、川上から川下まで多くの取引先を有し決済手段・取引条件も数多く、事務が煩雑になっており、手形の扱いだけでも毎月支払手形が360件(480枚)、受取手形が800件(1,600枚)ほどあった。これらを解消するためにでんさいの導入を図ったが、でんさいネットを選んだ理由は、ほぼすべての金融機関が参加しており、他の記録機関に比べ利便性が高いこと、コスト削減が期待できることなどが挙げられる。
導入に当たり、仕入先(650社)および得意先(1,200社)に対して、でんさいへの切替に係るアンケートを実施した。なお、当社は将来的にでんさいへの一本化を目指しているため、手形取引を行っている取引先だけでなく、振込で決済している取引先に対してもアンケートを実施した。
導入時のポイントとしては、社内(経営層)のコンセンサスを得ること、取引内容に応じて対象取引先に優先順位をつけること、アンケートで否定的な回答があった先の理由分析およびアフターフォロー、営業部署との連携等が挙げられる。なお、社内の説明に関しては、費用対効果を数値化したうえで、でんさい移行後の各部署のメリット、システム開発費用の回収目途等について具体的に説明を行った。
でんさい導入後、2014年6月時点では、支払については180件(手形からの切替135件+振込からの切替45件)が、受取については210件(手形からの切替175件+振込からの切替35件)がでんさいに変更できた。支払手形の発行枚数は30%、印紙代等については35%の削減効果があった。
でんさい導入により事務の合理化等の効果は出ているが、他の決済手段が残る限り事務処理の煩雑さは残ってしまうため、まずは手形をゼロにし、最終的にはでんさいへの一本化を目指していきたい。