でんさい活用セミナー【仙台】

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でんさいネット活用セミナー(仙台)

2015年2月20日、仙台のTKPガーデンシティ仙台において、「でんさい」の利用を検討されているお客様を対象に、でんさいネット開業2周年を記念して「でんさい活用セミナー」を開催しました。
当日の講演要旨や資料を掲載していますので、ぜひご覧ください。

開会挨拶
株式会社全銀電子債権ネットワーク 神門 隆


株式会社全銀電子債権ネットワーク

取締役会長
神門 隆





本日は、より多くの方々にでんさいの魅力をご理解いただきたいという思いから、東北経済連合会様の後援のもと、仙台で「でんさい活用セミナー」を開催させていただくこととなった。
でんさいネットは、平成25年2月にサービスを開始し、今月で開業2周年を迎えることとなった。この2年間で、実に40万社を超えるお客様に利用申込みをいただいた。この場を借りて、厚く御礼申しあげる。
お客様からは、でんさいを導入する際にはご苦労された点もあると伺っているが、ほとんどの方々から、でんさいを導入してよかったとの声をいただいており、大変嬉しく思っている。今後ともお客様の声を伺いながら、普及活動やシステム面の改善等に努めて参りたい。
本日のセミナーにおいては、でんさいを導入された2企業から講演いただくこととしており、これからでんさいの導入を検討される方にとっては、大変参考になるのではないかと思う。このセミナーを通じて、あらためてでんさいについて理解を深めていただき、でんさいをご利用いただくきっかけにしていただければ幸いである。

「電子記録債権制度への期待について」
経済産業省 岩佐 圭祐氏


経済産業省 経済産業政策局

産業資金課 課長補佐
岩佐 圭祐氏


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【講演要旨】

全銀行参加型の電子債権記録機関である「でんさいネット」が開業したことで、電子記録債権が大きく普及するターニングポイントを迎えた。経済産業省をはじめ、政府においては、引き続き電子記録債権の普及に向けた取り組みを進めていきたい。
経済産業省が電子記録債権に期待している点は、2点ある。
第一に、手形から電子記録債権へのシフトが進むことである。
第二に、受取企業および支払企業の双方がインセンティブのある取引条件を提示し合い、売掛金(買掛金)を電子記録債権(電子記録債務)化して活用することで、企業間信用が合理的に拡大していくということである。
具体的には、受取企業(販売企業)側は、売掛金よりも安全かつ低コストの債権を取得でき、支払企業側は、電子記録債権の導入を機に支払サイト延長の合意がとれれば、キャッシュフローの改善を図ることができるというインセンティブである。電子記録債権は、企業間で工夫することで、様々な活用方法があることが大きな魅力である。
また、電子記録債権は新しい制度であるため、現行の規制に抵触するか不明であるという理由から、事業者によっては電子記録債権の導入を躊躇してしまう可能性がある。経済産業省では、「グレーゾーン解消制度」および「企業実証特例制度」を用意している。この制度により、現行規制の適用範囲が不明確である場合に、適用有無を確認することができるほか、規制に抵触している場合でも、一定の条件のもと、事業単位で特例措置を認めることが可能となった。電子記録債権を導入する上で、規制の適用に関してお困りの点があれば、この制度の活用をご検討いただければ幸いである。
電子記録債権がさらに普及することを期待している。

「でんさい利用企業からの事例紹介①」
上野株式会社 蘇武氏


上野株式会社

常務取締役
蘇武 芳雄氏


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【講演要旨】

「でんさいは大企業が使うもので、中小企業が使ってもメリットはない」とお考えの方がいるかもしれないが、中小企業ならではの導入メリットがあり、中小企業こそ積極的に利用すべきである。
当社のでんさい導入前の支払件数の割合は、毎月の支払先約300社に対し、銀行振込が77%、約束手形が23%(約70先)であった。当社の経理担当は正社員1名、パート1名の計2名であり、特に手形に係る事務の軽減が課題であった。
でんさい導入のきっかけは、取引先からメガバンク系の電子記録債権を受け取ったことである。手形と比較して事務処理が楽になることを実感し、また安全性も確認できたため、全国の金融機関で利用できる利便性の高いでんさいを導入することとなった。
支払側の切替を中心に進め、手形支払先70社のうち、支払頻度の高い約40先に対してアンケート形式の案内を実施し、25社から了解をいただくことができた。その後も複数回に分けて案内を実施した結果、現在、でんさいでの支払先は44先となっている。了解いただけない理由の把握とそれに応じた対応を丁寧に行うことがポイントである。また、まだでんさいについてよく知らない企業も多いため、このようなセミナーを通じて知ってもらうことも普及のポイントである。
でんさいには多くのメリットがあるが、特に手形発行に係る事務負担の軽減効果が大きいと感じている。仮に何らかのミスが生じた場合でも、パソコン上で簡単に手続きを行うことができる。また、受取面においても、月末に集中していた手形の取立や集金業務が不要になるなど、大きなメリットがあった。
でんさい導入後の支払方法は、件数ベースで銀行振込79%、でんさい17%、手形4%(平成26年12月)である。具体的な導入効果としては、年間約130万円の収入印紙代が削減できたほか、支払にかかる事務作業を毎月約2時間削減することができた。 
今後は、でんさい取引の比率を上げることが課題であり、特に当社が受け取るでんさいの件数を増やしたい。
建設業界は回し手形が多いため、取引の流れの中ででんさいを導入していない企業が1社でもあると、普及がストップしてしまう。まず、慣れることが重要であり、当社のように受取から始めてみるというやり方もある。新しい制度であるが、恐がらずにぜひ使ってみていただきたい。

「でんさい利用企業からの事例紹介②」
日本紙パルプ商事株式会社 飯塚氏


日本紙パルプ商事株式会社

管理・企画本部 経理部 部長
飯塚 聡氏


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【講演要旨】

当社は仕入先が1,500社、得意先が2,500社ほどあり、決済手段・取引条件も多岐にわたるため、支払・受取共に事務が煩雑になっていた。手形だけ見ても、毎月支払手形が360件(480枚)、受取手形が800件(1,600枚)ほどあったため、事務の合理化を図るため、でんさいの導入に至った。電子記録債権の中ででんさいを選択した主な理由は、でんさいネットにはほぼすべての金融機関が参加しており、得意先が既存の取引金融機関をそのまま使える(川上から川下まで一貫して利用できる)ことである。
導入に当たり、仕入先(650社)および得意先(1,200社)に対して、でんさいへの切替に係るアンケートを実施した。なお、当社は将来的に決済方法をでんさいに一本化したいと考えているため、手形取引先だけでなく、期日現金(振込)で決済している取引先に対してもアンケートを実施している。
導入時のポイントとしては、①目的(取引先からの依頼、事務処理の合理化、経費削減)を明確化したうえで社内(経営層)のコンセンサスを得ること、②取引内容に応じて対象取引先に優先順位をつけること、③アンケートで否定的な回答があった先の理由分析およびアフターフォロー、④営業部署との連携(経理部門だけでなく営業部門にもメリットがあることの説明)、⑤社内システム環境の整備等が挙げられる。なお、当社では、費用対効果を数値化し、各部署のメリット、システム開発費用の回収目途等について綿密な検証を行った。各社の事情に合わせ、どのようにすれば最も効果的かつスムーズにでんさいを導入できるかを検討することが大切である。
でんさい導入後、平成26年9月末時点では、支払については190件(手形からの切替145件+振込からの切替45件)が、受取については220件(手形からの切替190件+振込からの切替30件)がでんさいに変更できた。支払手形の発行枚数は30%、印紙代等については35%の削減効果があり、数年でシステム投資を回収できる見込みである。
事務の合理化に関しては、手形の発行等に係る事務負担の軽減だけでなく、いわゆる「五十日」の集金対応(支払・受取双方)が不要になり、本業に専念できるようになるといったメリットも期待できる。
これまで、取引先から「元の決済方法に戻してほしい」といった要望を受けたことはない。取引先においても、でんさいのメリットを享受できているからであると思われる。
でんさいは、特に中小企業等、多くの企業が積極的に利用しなければ、よい循環が生まれず、普及していかない。まだでんさいを導入していない企業におかれては、疑問や不安を一つ一ひとつ解消し、前向きに検討していただきたい。

閉会挨拶
株式会社全銀電子債権ネットワーク 諸江 博明


株式会社全銀電子債権ネットワーク

代表執行役社長
諸江 博明





でんさいには、多くのメリットがある。特に、手形から切り替えた場合は大きなメリットが期待できるため、手形を利用されているお客様においては、現在手形の発行や受取にどの程度の時間やコストがかかっているのかについて、あらためて見直していただくとともに、でんさいに切り替えた場合の効果を検証いただきたい。
でんさいは、始まったばかりの新しい制度であるため、長年慣れ親しんだ決済事務を変えることに、不安やお悩みを抱えている方も多いと思われる。でんさいネットでは、そのような方々が円滑に、安心してでんさいを導入いただけるよう、全国の金融機関と連携し、検討段階から実際の利用開始まで全力でサポートさせていただく所存である。
近年は、様々な分野で電子化が進んでおり、企業間決済の分野でも、いずれでんさいが普及していくことが予想される。検討着手から利用開始までには相応の準備期間が必要と思われるため、このセミナーを機に、早めに導入の準備を開始いただくとともに、実際にでんさいを使っていただき、そのメリットを実感いただきたいと考えている。