でんさい活用セミナー【大阪】

トップページ > セミナーレポート > でんさい活用セミナー【大阪】

でんさいネット活用セミナー(大阪)

2015年10月20日、大阪の大阪銀行協会において、「でんさい」の利用を検討されているお客様や「でんさい」を利用しているお客様を対象に、「でんさい活用セミナー」を開催しました。
当日の講演要旨や資料を掲載していますので、ぜひご覧ください。

「電子記録債権のこれまでとこれから」
金融庁 中村 香織氏


金融庁

総務企画局 企画課 課長補佐
中村 香織氏


講演資料のダウンロード



【講演要旨】

金融庁は電子記録債権の普及や利用促進に取り組むことで、全国の企業の資金繰りをサポートしたいと考えている。
電子記録債権制度の創設の背景には主に3点の要因が挙げられる。
1点目は、中小企業の資金調達環境の悪化である。中小企業向け貸出金の減少や手形取引の縮小により資金調達手段が限られていた。
2点目は、売掛債権や手形の課題である。売掛債権は二重譲渡のリスク等があり、手形は、作成・交付等の事務コストや紛失・盗難のリスク等がある。
3点目は、IT化の進展により、商取引の電子化が進むとともに、債権の電子的取扱いへの期待が高まってきた点である。
そうした背景のもと、平成15年に「e-Japan戦略Ⅱ」において電子手形サービスの導入が盛り込まれたことを契機として、平成20年に電子記録債権法が施行された。
現在、都市銀行3行と全銀協がそれぞれ母体となる、4つの電子債権記録機関があるが、でんさいネットのサービスは手形の代替が前提にあり、様々な企業間で債権を転々流通させることができる。
電子記録債権における支払企業のメリットは、事務負担の軽減、搬送コストの削減、印紙税が不要な点等が挙げられる。一方、納入企業のメリットは、紛失・盗難リスクの排除、取立に係る事務負担の削減等がある。また、電子記録債権は分割して譲渡できることから、譲り受ける企業の資金繰りをサポートすることができる。
金融庁では昨年10月に「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」を立ち上げ、決済及び関連する金融業務のあり方等について多角的に検討し、その中で電子記録債権についても取り上げている。今年4月には、スタディグループの中間整理が公表され、電子記録債権についても今後の課題がまとめられた。今後の課題として、電子債権記録機関間での債権の移動、地方自治体での活用、アジア等への海外展開など、更なる利用促進方法の検討が挙げられている。
電子記録債権制度は日本発の先進的な取組みであり、アジアの新興国から関心が寄せられていることから、将来の展望として、アジアでの電子記録債権制度の展開の可能性もあるのではないか。
金融庁としては、電子記録債権の一層の普及のために、制度面や実務面の見直しも行いながら、多くの方々のニーズに対応できるようにしていきたいと考えている。

「電子記録債権取引における法律上の留意点」
TMI総合法律事務所 葉玉 匡美弁護士


TMI総合法律事務所

葉玉 匡美弁護士


講演資料のダウンロード



【講演要旨】

電子記録債権法は、いかに安く安全に債権を発生、譲渡、決済をすることができるかという観点から立法されており、非常に便利な制度である。
電子記録債権と聞くと「難しい」と感じる方もいると思うが、法律的な権利の強さや内容は、基本的には手形と同じであり、電子的に発行や譲渡をできるようにしたものと考えればよい。
本日は、でんさいネットのコールセンターに寄せられている照会事項をもとに、電子記録債権取引における法律上の留意点として、以下の点について解説する。

①電子記録債権取引全般
 ファクタリングや期日振込との違い、領収書の取扱い等
②下請法上の取扱い
 下請代金の支払いとして利用する際の留意事項、手数料負担の考え方等
③支払不能時の取扱い
 支払不能でんさいの請求方法、譲渡した「でんさい」が支払不能となった際の責任等

「でんさい利用企業からの事例紹介①」
株式会社長谷工コーポレーション 濵田 良一氏


株式会社長谷工コーポレーション

経理部・主計部・グループ経理部 統括部長
濵田 良一氏


講演資料のダウンロード



【講演要旨】

以前から手形発行業務に対する改善意識があり、セミナー参加等を通じて電子記録債権についての情報収集を行っていたが、協力企業様の同意がどの程度得られるのか、またシステム改修等の投資コストに見合うのか等、導入効果が不透明と認識していた。
一方、施工量増加に伴い手形発行枚数が増加してきたため、手形発行業務の見直しが喫緊の課題となり、昨年末頃より社内検討を本格化した。その際、①手形発行業務の削減、②手形印紙代の削減、③現物管理の削減の順に社内の整理を行った。
その上で、本年2月、前月末に手形支払のあった協力企業様約500社を対象に、電子記録債権の受取意向確認のためのアンケートを実施したところ、7割以上の先から前向きな回答が得られ、また、受取を希望しないと回答した先のうち、約6割が裏書(譲渡)の対応に懸念があるという結果だった。
7割を超える協力企業様が電子記録債権での受取に前向きとの結果を踏まえ、導入に向けた課題や確認事項を一つ一つ整理し、準備を進めた。導入する電子記録債権は、①出納業務への影響が軽微、②協力企業様のニーズに合致、③流通性の高さ、④高い導入率見通し、⑤初期投資の早期回収等から検討し、「でんさい」を選定した。
本年8~9月にかけて、メインバンクやでんさいネットの協力を受けて東京、大阪で計4回の協力企業様向け説明会を実施した。その際に実施したアンケートでは、導入を前倒しにして欲しいとの意見がある一方、事前のアンケート同様に、協力企業様の取引先でのでんさい契約の問題や、他の電子債権記録機関との混同などの問題点が見られた。
今後は、平成28年1月の利用開始に向けて、協力企業様の登録内容の確認や改修するシステムの動作確認等を行う予定。なお、9月末時点で、でんさいによる受取同意を約540社からいただいている。引き続き導入率の向上を目指していきたい。

「でんさい利用企業からの事例紹介②」
平田機工株式会社 藤本 靖博氏


平田機工株式会社

執行役員 経理部 部長兼IR・広報担当
藤本 靖博氏



講演資料のダウンロード



【講演要旨】

従来、当社の支払いは、金額ベースで振込が4割、手形決済が6割であったが、このうちの手形決済をでんさいに移行したいと考えた。
経理事務にかかるコスト削減と効率化の必要性、当社の手形発行システムがリプレース時期にあったことが、でんさい導入の背景である。
でんさいを導入した主な理由は、①メインバンク(地方銀行)で利用できること、②事務負担(押印、郵送作業等)が軽減できること、③印紙代や手形発行に伴う出張費(手形発行のため、毎月2名が熊本から東京に出張)が削減できることである。
また、でんさいに移行できなかった残りの手形については、手形発行業務を外部委託することにより、社内での発行事務をなくすことができた。サプライヤー(納入企業)への説明会でもメインバンク等に協力いただいており、でんさいの導入に当たっては、取引金融機関との連携が重要である。

平田機工株式会社 林田 美沙樹氏


平田機工株式会社

管理本部 経理部 財務グループ 経理課
林田 美沙樹氏



【講演要旨】

でんさいの導入に当たっては、サプライヤーミーティングでチラシを配布するとともに、手形発送時の送付状に、でんさい導入について協力要請を記載した。また、未導入のサプライヤーに対しては、アンケートを実施し、その理由を把握したうえで、個別に連絡し交渉した。
導入時に苦労した点としては、サプライヤー向け説明会開催への負担、思う様にサプライヤーからの同意が得られなかったこと等が挙げられる。
でんさい導入当初は、手形決済の方が多かったが、でんさいを推進した結果、2か月後には手形決済を上回り、その後もでんさいは増加傾向にある。
この1年間の活動としては、でんさい導入比率を高めるべく、大口取引先への個別依頼、当社内でのでんさい促進プロジェクトチームの発足、手形送付先への要請等が挙げられる。その結果、手形決済の約7割がでんさいに切替わった。しかし、関西地区では、依然として手形決済の取引先が多いことから、関西地区においてでんさいへの移行を進めることで、さらに導入比率が高まることが見込まれる。
でんさい未導入の理由としては、でんさいのメリットが伝わっていないことが挙げられる。未導入先にはこのようなセミナー等を通じて説明していく必要があり、地道な取組みが重要と認識している。当社では、でんさいへの移行により、支払にかかる作業時間が約3日間、短縮することができた。
金額ベースでは、でんさい導入比率80%を達成できたので、今後は、件数ベースで80%を目指していきたい。
でんさいでの支払に不安を感じている企業は、まずは受取りからはじめてみてはどうか。でんさいのメリットや安全性を理解することができると思う。
利用企業が増えれば増えるほど、でんさいの利便性は高まっていく。より多くの企業がでんさいを利用することを期待する。