全国キャラバン2017【福井】

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「でんさい活用セミナー」【福井】
日 時 平成29年6月21日(水) 14時30分~16時30分(14時開場)
会 場 福井商工会議所 国際ホール(福井市西木田2-8-1)
主 催 株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称:でんさいネット)
共 催 福井銀行、福邦銀行、福井信用金庫、敦賀信用金庫、小浜信用金庫、越前信用金庫、
三菱東京UFJ銀行
後 援 福井商工会議所、敦賀商工会議所、武生商工会議所、大野商工会議所、勝山商工会議所、
小浜商工会議所、鯖江商工会議所、福井県建設業協会、全国銀行協会
内 容 ・でんさいの仕組みと普及状況
・でんさい利用企業(株式会社ミツヤ様)の事例紹介
・でんさいの操作方法
・自治体(鯖江市)におけるでんさい活用事例
・電子記録債権の普及への期待等(金融庁)


2017年6月21日(水)に福井市において、当会社主催の「でんさい活用セミナー」を開催いたしました。当会社職員がでんさいのしくみやメリット、普及状況について講演いたしました。
また「でんさい」を利用いただいているお客様(株式会社ミツヤ様)、地方自治体で全国で初めてでんさいを導入した鯖江市、電子記録債権の普及への期待等について金融庁(当会社職員代講)からご講演いただきました。また、株式会社NTTデータ様から「でんさい」の操作方法についてご説明いただきました。

「でんさい利用企業からの事例紹介」
株式会社ミツヤ 谷川 吉治 氏


株式会社ミツヤ

取締役経営管理部長
谷川 吉治 氏


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【講演要旨】

当社は2016年11月にでんさいの導入を開始し、現在、支払の3分の2程度はでんさいへの切り替えを完了している。今回のセミナーにおいて、是非地域の皆様にもでんさいについての理解を深めていただき、いずれは当社の残る3分の1のでんさい切り替えに繋げていければと考えている。
もともと支払にあたり、月50枚程度手形を利用していたが、その受け渡しは約7割が集金時の手渡しで、電話による支払内容の事前確認や、集金来訪者への都度対応が必須となる他、押印等の手形発行事務や領収書の発行事務など、残る3割の郵送関連事務も含め、とにかく現場の実務負担が大きかった。また手形発行にかかる相応の印紙コストの削減も課題であった。
このような状況で、更改した会計システムがでんさいに対応していたこと、業況拡大により支払先が増加していたこと、主力行から熱意あるお声掛けがあったことをきっかけとして、何より社内で実務を担当する経理担当者がでんさい利用に大変前向きであったことから、でんさいの導入に踏み切った。
結果として、当初の予想以上にでんさいの利用は拡大し、業務負荷の主因となっていた手形発行関連事務の作業量が、手形とでんさいを合わせても半分程度になった他、実態として毎月1万円程度の印紙代コスト削減に成功するなど、大きな効果があったと感じている。
当社では、でんさい利用を拡大していくために、経理担当者が集金来訪先に都度でんさい利用のお声掛けをしている他、銀行から取引先への口添えをいただくなど手を尽くしているが、上場規模の大手取引先が、ファクタリングの利用を主としているため、未だでんさいを利用していないケースや、世間におけるでんさいの認知度や理解度が今一歩と思われることから、なかなか今以上のでんさいへの切り替えが進んでいない状況となっている。でんさいネットや金融機関におかれては、是非今以上のでんさいの普及活動をお願いしたいところである。
でんさいは事務効率化、経費削減等を図る有効な手段。当社は、手形利用を止め「支払を100%でんさい利用に切り替えすること」を目標に、今後もでんさいの利用拡大に努めていく。

「でんさい利用団体からの事例紹介」
鯖江市 三上 裕介 氏


鯖江市

統括理事
三上 裕介 氏


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【講演要旨】

2015年11月に金融庁の金融審議会において、「地方公共団体における(電子記録債権の)導入を進めることが、企業の資金繰りの円滑化とともに、電子記録債権の普及に効果的」との指摘があったことを踏まえて、金融庁からの提案を受けて、鯖江市における電子記録債権導入に向けた取組みが始まった。
鯖江市では「ITのまちさばえ」を掲げて、以前からITを活用したオープンデータなどの電子行政に取り組んでおり、そのような中で、今後市場規模の拡大が見込まれるでんさいを全国に先駆けて導入することは、行政サービス向上とともに「地方創生」に資するものと考えられた。そこで、金融庁や地元の金融機関などと何度も意見交換や打合せを繰り返し、2017年1月より、地方自治体としては全国で初めて新たな決済手段としての電子記録債権によるサービス提供を開始した。現在までに、3社であわせて計4件の公共工事の支払いに電子記録債権を活用している。
電子記録債権を公共工事の支払いに活用することは、自治体側には、早期資金化が可能となることで、より多くの中小企業が公共工事の公募に参加しやすくなるという効果などが、また事業者側には、その資金化の速さと分割可能という流動性の高さにより資金繰りが改善されるという効果が期待できる。また、自治体の支払い手段として電子記録債権が追加されることで、公共工事等の対価を受け取る際の選択肢の幅が広がることになる。
導入にあたっては、公共工事の支払方法を定めた地方自治法の規定に抵触しないかどうか、また債権譲渡の原則禁止を規定した公共工事標準請負契約約款に抵触しないかどうか等を事前に確認した。また、庁内の関係では、財務規則等の関係法令の改正を実施して、電子記録債権による支払いを具体的に明記した。そのほか、庁内での担当課による具体的な処理規定などの擦り合わせや市議会・関係団体への説明を重ね、スムーズな導入に向けた取組みを進めてきた。
ただし、自治体からの支払いに電子記録債権を活用する取組みを全国へ普及するにあたってはまだまだ多くの課題がある。例えば、電子記録債権による支払いは、その手続き事務ゆえに請求から決済までの期間がどうしても口座振替より長くなってしまうため、事業者がメリットを感じにくい。また、電子記録債権の利用については、事前に利用環境を整える必要があるなど、自治体側にも負担がかかってしまう。
今後、電子記録債権を全国的に普及させるためには、取扱規模の大きい公共工事の支払いに活用することは大変有意義である。例えば、現時点では、様々な制約により公共工事における活用方法としては、完了検査後の残高支払いに限定した利用にとどまっているが、他の支払いへの活用拡大を検討するなど、どうすれば事業者側がメリットを感じて利用者が増えるのかを検討し、引き続き取組みを進める必要があると思う。

「電子記録債権の普及への期待」

金融庁(でんさいネット職員が代講)

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【講演要旨】

電子記録債権は、手形や売掛債権を電子化したものと捉えられがちだが、その本質は手形や売掛債権における管理コストや紛失・盗難リスクといった問題点を克服した新たな金銭債権であり、金融庁としてもさらなる普及を期待している。
電子記録債権の普及推進については、平成27年12月に金融審議会でとりまとめられた「決済高度化に向けたアクションプラン」において、企業の生産性向上につながるとして、取り組むべき課題に位置付けられている。
電子記録債権の普及の鍵の1つに、地方自治体における電子記録債権の活用が挙げられるが、鯖江市においては、いち早くこの課題に取り組んでいただき、全国で初めて電子記録債権による支払制度を導入していただいた。他の地方自治体においても、鯖江市における取組を参考にするなどして、電子記録債権の活用が進むことを期待している。
また、金融EDI(*)を起点とした企業の財務・決済プロセスのITによる高度化の推進も、電子記録債権の普及の鍵となると考えている。財務・決済プロセスの高度化の推進は、企業の成長力強化につながる取組みであり、平成29年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」においても具体的施策に位置付けられ、オールジャパンで取り組んでいく課題である。なお、平成26年に行った流通・自動車部品業界での実証実験では、財務・決済プロセスの高度化により、受取企業側で、中堅製造業で年間約400時間、大手小売業で年間9,000時間の決済関連事務の合理化が図られたとの結果が出ている。
企業の財務・決済プロセスのITによる高度化の過程では、プロセスの1つである債権管理についても、電子化が必要となる。「未来投資戦略2017」においては、電子手形・小切手への移行について検討を進めることとされているが、この点については、手形や売掛債権の問題点を克服した新しい債権である電子記録債権の活用が有効であると考えている。
電子記録債権は財務・決済プロセスの高度化に必要な要素であり、財務・決済プロセスの高度化は企業の成長力強化につながるものであることも踏まえ、電子記録債権のご活用をご検討いただきたい。
 
(*) EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)
企業間取引において商品の受発注などを行う際、標準化されたフォーマットを用いて電子的に商取引データを交換すること。企業間のEDIネットワークに銀行が参加し、すべての処理をEDIにより完結させることを「金融EDI」と呼ぶ。